歩き回る虎

なんだかんだ10年近くはてなを愛用する村人です。アニメや漫画やゲーム等のオタク系レビュー、投資日記、世の中のこと、ツイッターで書ききれないこと等を書き連ねる雑記ブログです。

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ガチポルノと区別不可能な最近の全年齢ラノベムーブメントが、エロゲ文化を破壊してきた

 

 

 

 

 

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 思った以上に上記ツイートが各所からの反響を集めているようで、もしかするとTogetterにまとめられるかも知れない予感をビビっと受信したので、自らまとめました。天狗様より先にまとめられただろうか。

 

 本当はここに「サイバーエージェント株が塩漬け」とか「損切のタイミングを慎重にしすぎて3万円利確の機会を逃してしまった(´;ω;`)」とか株式投資の反省と対策を書くつもりだったのですが、急遽予定変更。(※株はじめました、駆け出しです)

 

   まず、この話題はあるお父さんツイッターユーザーの投稿から端を発しています。

「一般の書店で娘連れで言ったら、娘が“気持ち悪い”と指さした光景(そこには平積みされるラノベの『境界線上のホライゾン』最新刊や『アクセル・ワールド』最新刊の美少女裸表紙)。これをゾーニングされてない公共の場で子供の眼前に公然と並べる抑圧は暴力だ」

 こんな内容のつぶやきが万単位で拡散され、あちこちのまとめブログにも掲載されました。それに対する自分の言及が上記になります。

 

 まず、最近のラノベが表紙・内容共に旧来のポルノレーベル(フランス書院とか二次元ドリーム文庫とか)と区別できないレベルのエロ表現に走っているという話ですが、これはいまさら否定しようのない事実です。発端ツイートを転載しなかったのは、了承をとっていないからというのもありますが、ブログ的に100%アウトな画像なので怖くて載せられなかったというのが主な理由です。掲載ツイートが一つだけスクショでモザイク修正入りなのもそれが理由。なので、参考になりそうなリンクを貼るにとどめますが、下記リンク先の表紙画像には明らかに全年齢と称するには無理のあるものが複数見受けられます。これはあくまで一部なのです。

 

promo.kadokawa.co.jp

topics.smt.docomo.ne.jp

 

 特に『境界線上のホライゾン』最新刊絵は、オタクコンテンツの美少女絵漬けで一般より感覚がだいぶマヒしているであろう私でも一般向けなのにコレかと引いてしまう代物なので、一般書店の売れ筋中心コーナーに堂々と鎮座するソレを目にした一般人の娘さんがどんな印象を抱くか想像に難くありません(娘さんも、娘が気持ち悪がるエグいポルノ絵から娘を守りたいと思うお父さんの反応もごく自然なリアクションと言っていいでしょう)。ツイッターを横目で流し見てみかけた父娘への反論意見に男性ユーザーと思しき「境界線上のホライゾンは女性人気も高い事を知らないな?」なんて意見がありましたが、そんなオタクの事情なぞ父娘がその場で抱いた嫌悪感には何の関係もありませんし、普段自分達と同じ読者層にカウントもしていない「女性読者」を女性を黙らせたい時にだけ圧力の道具として利用しているようでげんなりした気持ちになってしまいます。境界線上のホライゾン』においては以前から「淫語封じでエロさを追求しててしゅごいwwwww」などと各所でエロ性を肴に盛り上がるオタク間ホモ・ソーシャルが散見されますが、露悪的なエロをエロとして気持ち悪がられた途端に「女性読者人気」という盾を利用して外部からのエロ指摘全否定に躍起になるダブルスタンダードは見ていて潔くありません。

 

  それと付け加えて『エロマンガ先生』やら『Hをするしない』『風俗』『淫語』うんちゃらと、直接的なエロを想起するワードを敢えてタイトルにして、オタク男性消費者のエロインパクトを煽って釣ろうとするラノベ作品もここ数年で確実に急増していますが個人的には世間から煽った誤解を売り物にするこれらのラノベ乱発にも不安感を覚えます。例えばエロく扇情的なワードを全面に出したラノベが案の定こんなものを子供でも買ったり読めたりできるようにしてるのかと批判を受けた時、オタクが「お前ら何もわかってない! これは過激なタイトルで目を引いてるけど実際は心温まるファミリードラマなんだぞう!」とオタク目線の論理でいくら抗弁したとしても、それを目にした非オタク世間の悪印象はなんら変わらないでしょう。長編ラノベをわざわざ丸一冊読まなきゃわからない内容をもって理論武装しても、普通世間はそんなのにわざわざ付き合ってくれず一蹴するだけです。送り手側が意図的に過激なエロワードで釣ろうと誤解を煽ったのですから、批判する世間もまた送り手自身に誘われるべくして誘われただけです。

 

 で、このゾーニング無法地帯のエロラノベトレンドに危機感を感じ憂慮しているのは個人の受け手(一部オタクの人がフェミと呼称する仮想敵)以上に、本職のエロゲ業界だと言う話について。私自身、過去エロゲ業界の片隅にいた事もありその話は知り合いのエロゲライターさんにも聞きましたし、10年ほど前の某エロゲレーベル関係者を集めた座談会記事でも見られた見解です。

 

 

  その危機感は正確であって、全年齢レーベルの体裁で放つほぼほぼガチポルノラノベが、エロゲ業界を崩壊へと追いやるのは考えるまでもない当然すぎる因果だと思います。

 

※9/12ここから少し追記

 

 特に今や多くのオタクにとってオタクコンテンツとは個人で楽しむ目的で完結されたものではなく、より広く大きなオタク集団・社会と繋がり一体感を得る手段と化しています。ソシャゲ隆盛やあらゆる企業のSNS頼みの商業戦略を例に上げるまでもないでしょう。オタクに限らないかも知れませんが。

 そんな風潮の中、旧来までの全てが支持していたと言わないまでも常識として認識されていた「ポルノコンテンツは違いのわかる大人のたしなみである」というレーティング意識もなりを潜め、『小中高校生も巻き込んだみんなで楽しんで、もっともっと世間やメディアをオタクムーブメントで侵食させてって承認を奪い取り自分達オタクこそが世のメインストリームに成り代わろう』というむき出しの欲求に、文化の主流やモラル感覚が流されていっているような気さえします。(あたかも俗世間に迎合しない非リアキャラを自称したりマスコミ嫌いを公言するオタクは多いけど、TVで権威のある大物芸能人がオタクに理解あるコメントをしてくれたり社会的地位の高い医者や政治家がオタクを名乗ったり「このオタクコンテンツがマジすげえ!」って褒めてもらえたら大はしゃぎしちゃうでしょ)。こういう権威主義的といいますかあまねく世間から承認を奪い取る欲望でギラギラするオタク消費者にあっては『世間の老若男女が集う公共の場だろうがお構いなしに、オタクの内輪でしか無問題認定されないような露骨なエロ表現物を陳列する』構図は自分達の勝利を意味する甘美な権利の一つなのかも知れません。この手のやり取りに遭遇するたびに一介のオタクとして心苦しく思っていますが、大元のツイートの抑圧を嘆く父娘に対する反対派ユーザーからの「この世から娯楽作品が消滅するディストピア社会が来てしまう」というムチャクチャに飛躍した被害者意識。それを攻撃性に転化した元ツイ主バッシングや冷笑が投げかけられている有様は本当にお前ら大丈夫なのかと言いたくなります。別にエロ表現作品全てを否定してる訳でもなく直接規制に向けて抗議した訳でもなく、ゾーニングによる棲み分けを望んでるだけだろうに。もしそれさえ気にいらないのだとしたら、彼らが真に望むのは表現の自由ではなく、公共の場でもTPOなくエロを開闢して消費する自由と、他人にオタク的全体主義と一方的な妥協を強いて抑圧する権力性ではないか。

 

 

 引用させて頂きましたが、一言一句全て同感です。「エロコンテンツは大人のたしなみ。制作者も消費者もその自覚をもって欲しい」という信念を持つ私にとっては、本当にしんどい状況です。

 

 オタクは偽装エロラノベの反乱を、世間が自分達オタク文化のパワーに迎合してくれて自分達中心に市場が回っているかのような万能感や優越感の材料にしてる場合じゃないです。エロ文化が花開いているように見えているのかも知れませんが、実際は古くからオタクを支え続けてきたエロゲ文化を滅びに追いやっている事に繋がります。ラノベ業界が目先の利益を追って子供も視野に入れた安価なエロ商売に走り続けているうちは、エロゲ業界との棲み分けや共存は難しいでしょう。

 

 ※まとめ

  1. 表現の自由を標榜するなら、受け手の内心の自由を認めよう。そもそも男性向けエロが女性(女児)受けしない事は当然想定のうえで生産・消費しているのでは? 毎度のオタクの過剰防衛で「このままだと難癖がエスカレートして全てのラノベが書店から駆逐されちゃうよう」といった論理に飛躍させている人達が大量に見られるけど、一般人が「公然の場で置かれるエロラノベ表紙が気持ち悪い」と一言つぶやいただけそれが即書店から消えるなどという事は絶対にあり得ない。ましてや元ツイートは書店や出版社に抗議しようとしている訳でもなく、ただただ独り言で現状を嘆いただけだ。
  2. ゾーニングを無視した過激なエロ売りラノベが一般の公共市場に陳列される事は「オタクのエロ文化の承認や隆盛の証」ではない。表現の自由と、年齢指定エロと全年齢美少女ラノベで棲み分けする事は両立する。
  3. というか「本番さえなければ、局部等さえ隠せばポルノとは言わないので全年齢で通用する」言説はあくまでオタク内輪のローカルルールでしかなく、世間一般に通用するはずが無いだろうと思いますが、もしかしたらこれを本気で心から信じ混んでしまっているオタクも少なくないのだろうか。
  4. 表紙絵・タイトル・本文と、これほどまでに目先のエロインパクトで勝負しなければ客が引けない現状があるならば、それはそれで憂慮すべき事態ではないか。ラノベレーベルは乱立し爆発的に量産されるようになったが、クオリティ面の先細りを大いに予感させる現象ではないか。少なくとも、上記ツイートを放流した時は複数人から同じ指摘を受けた。
  5. 何名か当方にツイッター上で絡んでは「私のツイートが事実でない証明」をしようと頑張るラノベ読みオタクさんがいらっしゃいますが、だからそのファンタジックにド単純化された善悪二元論聖戦思考が問題だと言ってんですよ。全肯定してくれる相手以外の人を仮想敵に仕立てて自分の土俵から戦いを仕掛けて論破すればそれで全て解決!我らオタクとオタク表現の勝利なり!じゃなくてさぁ。。
  6. 私のツイートやこのブログへのリンクもtogetter転載禁止でお願いします。